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2017年2月8日水曜日

Made by myself,RamieTee shirts

季節外れにも程がある、麻のTシャツ。
完全なる夏用。
3年くらい前に作りました。

僕は無地の白Tは大好きで、着たいなぁと
ものすごく思ってるんですが
よほど厚地じゃない限り、あんまり着ないです。
なぜなら透けるから。

タンクトップを着るとか
薄手の物を重ねて着るとか考えたんですが
結局、2枚着てる分、熱がこもって暑いんですよね。
肌にはり付く感じが気持ち悪いし。

でも着たいんです、無地の白T。
透けなくて涼しい、無地の白T。

…………

めくるめく思考。
脈打つ鼓動。
閃く思惑はシンプル。
ハイになる僕。

涼しくて肌に貼りつかず、汗もよく吸って
それでいて乾きやすく
程よい腰とシャリ感のある丈夫な強い生地で
作ればいい!

まさにコロンブスの卵。
問題は、そんな都合のいい生地があるのかっていうところです。






あるんです。
人類が初めて布地に使用した最古の繊維、麻です。

麻といっても種類が色々あって、ちょっとややこしいです。
超簡単に説明しますが、読み飛ばしてもらっても特に支障はありません。
僕の苦労が徒労に終わるだけです。
では、いきます。

天然繊維の中でも、植物繊維にあたる麻。
大きく2つの種類に分けられます。

1:靭皮(じんぴ)繊維
  亜麻(Linen)、苧麻(Ramie)、大麻(Hemp)、黄麻(Jute)等の
  植物の茎の内側の部分を原料として作られる繊維。

2:葉繊維
  マニラ麻、サイザル麻等の葉脈から作られる繊維。

まあ要するに乱暴にいうと、植物の茎とか葉から「直接」作られている繊維は全部「麻」です。



直接ってことは間接的に作られる植物由来の繊維もあるってこと?
と、思われた方。
鋭い。
あります。
再生繊維、半合成繊維というものがあるのですが
これを書き出すと、長い今回のブログが
さらに5倍くらい長くなるので割愛します。



意義あり。綿(Cotton)も植物じゃなかった?
と、思われた方。
鋭い。
綿も、天然繊維で植物繊維ですがあれは実は、茎や葉ではなく、また違う分類の
「種子毛繊維」という、種の周りに生えるリントと呼ばれる繊維から作られているんですね。
今回は麻についてなので
綿についての説明は、する機会があればそのときします。


ともかく麻です。
色々な植物からできるんですが
衣料用布地に使われるのは
ほぼ亜麻(Linen)か苧麻(Ramie)の2つのみで
家庭用品質表示法で「麻」と明記できるのも
亜麻(Linen)、苧麻(Ramie)のみです。

それ以外の麻は、縄とか、麻かごや麻袋等、資材用で使われる感じですね。
綱引きの綱とかモロです。

ちなみに、実は日本では古来より繊維使用の目的で
結構大麻(Hemp)を栽培してたんですよ。
現代の日本で栽培したら、もれなくお縄に付くことになります。麻だけに。


じゃあ衣料用布地に使われる
亜麻(Linen)と苧麻(Ramie)
違いはなんなの、ということになります。

超簡単にいうと

亜麻(Linen)は柔らかくてしなやか。ヨーロッパに多いです。
苧麻(Ramie)は堅くてシャリシャリ。アジアに多いです。
そんな感じ。


このTシャツは前述の通り、腰とシャリ感を求めていたので
苧麻(Ramie)で作りました。

なので苧麻(Ramie)の特徴は詳しく書きます。
覚悟してください。まだ続きます。

苧麻(Ramie)の繊維長は衣料用に使われる植物繊維の中で最長です。
超長綿と言われる高級綿で33.3mm以上にたいして
苧麻(Ramie)の繊維長は20mm~250mmの間で平均で60mmくらいです。
めっちゃ長い。そしてめっちゃバラつきあります。
繊維の太さは衣料用天然繊維でもっとも太い1.5d~20dで、これもバラつきがあります。
この長さと太さが相まって、苧麻(Ramie)独特の腰とシャリ感のある
風合いがでるのです。

d(デニール)とは、繊維の太さを表す単位なんですが
コレについても、書くと長くなるので
説明する機会があれば、そのときします。
ちなみに繊維の太さを表す単位は、
デニール、テックス、綿番手、麻番手、毛番手と色々あります。
ややこしいね!
各番手間の換算式もあるっちゃあるのですが、めんどくさいので省きます!
もう疲れてきた!
肝心のTシャツ、まだ紹介できてない!

はい、苧麻(Ramie)の説明に戻ります。まだ続きます。

亜麻(Linen)も苧麻(Ramie)も、繊維の断面を拡大してみると、ルーメンと呼ばれる
水を吸い上げる為の穴があり、中空構造になっています。
平たくいうと筒状なんです。
これは綿も同じ構造になっています。
このルーメンという穴に水がどんどん入っていくので
吸水性が抜群に高いんです。

またウールやコットンに見られる
クリンプとよばれる天然のねじれが無く(繊維自体がツルりとしている)、繊維長も前述の通り長いので
自然な光沢があり毛羽立ちにくく汚れも落ちやすいんです。
しかも繊維の強度は天然繊維中、最強。かっこいい。
しかも、濡れるとさらに強度が増します。やばい。
つまり、めちゃ丈夫。

だらだら書いてきましたが
要約すると

自然な光沢があり、繊維は太く長いため
腰とシャリ感があり、通気性に優れている。
繊維の断面は中空構造になっているため吸水性も高い。
強度は天然繊維中、最強を誇る。濡れると無敵。
ヤバイ。強い。

こうしてみると、Tシャツにするには最適な生地に思えるのに、
あんまり苧麻(Ramie)のTシャツ見ないですよね。
何事にも理由はあります。

1:染色堅牢度が低い。つまり染めにくいんですね。カラバリ命なところがあるTシャツにとって致命的なデメリットです。

2:弾性に乏しい。皺になりやすくてなかなか取れにくいです。シャツをアイロンする人は多いと思いますが、Tシャツ着るのにいちいちアイロンする人は稀です。手軽さ、一切無し。

3:生地が高い。はい、麻は亜麻(Linen)も苧麻(Ramie)も、単純に高いんです。何の変哲も無いTシャツに¥10,000も出せる人はなかなかいないです。マーガレットハウエルで、亜麻(Linen)の織りのTシャツを売ってるの見たことありますが、¥25,000くらいしてたような気がします。編みとなると、織りに比べて糸を大量に使うので、さらに高くなります。



超簡単な説明、終わり。











お待たせ。ここからが本番。
自分で作ったの無地の白T。
上記のデメリットは一切無視して作りました。
無視というか意識する必要ないんですね。
白Tだし、アイロンは苦にならないし
自分で作れば生地代だけで済むし。

普通、Tシャツは編地でできてるのですが
苧麻(Ramie)の編地なんて売ってないので
平織りの布帛で作っています。
そっちのほうが苧麻(Ramie)のメリット活かせる気がするし。

プルオーバーで伸びない生地の場合
明きを作るか、大きく作るかしないと
着脱がしづらいのですが
なるべくシンプルに作りたかったので
ビッグシルエットにしました。
若干ドロップショルダーにしてます。

袖は後付で、前振付けるために
わざ脇線と袖下線をずらしました。

一枚だとやっぱり透けるので
身頃のみ二枚仕立てにしました。
始末も楽だし。
でも苧麻(Ramie)のおかげで涼しいんです。
ただ、そのぶん用尺2倍になってしまったので
自分で作っても結局¥7,000くらいになっちゃった……




最初に着たときはちょっとチクチクして

やばい!失敗したか!?

と思ったんですが、洗濯したらなくなりました。チクチク。

夏場はものすごく重宝しています。
スケートするときはだいたいコレ着ます。
汚れてもガンガン洗えるし、丈夫だし、涼しいし。
最高です。

ただやっぱり反省点はたくさんあるので
修正してもう一着作ろうと思ってます。



予想以上に長くなってしまった……










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